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魂と向き合う、お守りのようなネックレス



「永遠の定番」として、1999年のデザイナー没後も世界中で変わらぬ支持を得ているSERGE THORAVAL(セルジュ・トラヴァル)。いつの時代にも、トレンドに左右されることなく私達の心に響くメッセージを届け、その力強いデザインは身につける人の体の一部となる。

セルジュは毎夜、寝付くまでの時間をベッドでの読書に費やした。同じ本を何度も読み返した。時に雷に打たれたようにベッドから飛び上がり、真夜中のアトリエでメタルに文字を打ち始めることや、日常の情景をポエティックなフレーズにして刻むこともあった。また、友人や恋人への何気ないメッセージもメタル片に刻んで送ることもあった。彼にとって刻印するという行為は、自分自身を最大限に表現できる手段であったのだ。

古代ギリシアの哲学者プラトンの著書、Premier Alcibiade(アルキビアデス1)からの一説が刻まれた無骨な円柱のペンダント“P28”。L'âme aussi, si elle veut se reconnaître devra regarder une âme.「魂もまた自分を識りたいのであれば 魂と向き合わなければならないであろう(人間もまた同じである)」 セルジュが選んだこのテキストは、彼が見つめる相手の瞳の中で、己が誰なのかをよりはっきりと知るということを意味していた。円柱の形をしたこのペンダントは、自分自身を照らし出す灯りを放つ小さな灯台を象徴している。彼はとても慎み深く、自分自身を安心させるために、他からの灯りで自分自身を確認することが必要だったのだろう。多くのアーティストがそうであるように。

ユニセックスに身につけられるこのペンダントは、近年生産が間に合わないことがあるほどのベストセラーである。「アクセサリーは身につける人自身がそれに意味を見出すもの」それがセルジュのアクセサリーに対しての考えであった。P28には“Reflet(反射)”というタイトルが付けられている。毎日身につけ、時に自分自身と向き合うお守りとして。また、“自分があなたを映し出す鏡となる”という意味を込めて、大切な人へのプレゼントとしても相応しい。もちろん意味など考えず、直感で選ぶことも大切だ。