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Episode.07 コーディネートを楽しむアクセサリー


水野 奈奈

H.P.FRANCE Boutique 西宮店 スタッフ
   


 

色合わせで遊ぶ、H.P.FRANCE Boutiqueのアクセサリー


私がアッシュ・ペー・フランスに入社したのは2008年、元々、服飾の学校に通うほどの服好きでした。最初の配属先がデコラディブなお洋服を扱うお店だったこともあり、入社後もアクセサリーにはあまり興味が湧かず、あくまで服が主役の格好が定番でした。しかし、2年後に異動となったH.P.FRANCE Boutiqueで、当時バイヤーだったフランソワーズ・セーグルがセレクトする見たこともないアクセサリー群と、そこから色やテーマを拾い全身をコーディネートする方法を初めて教わり、アクセサリーを含めてファッションを楽しむ面白さに目覚めます。それから10年以上、特に一つのブランドを意識して集めていたわけではなく、日々のコーディネートに合わせるアイテムをコツコツと増やしていたところ、気づけば立派な“Boutiqueアクセサリーコレクション”が出来上がっていました。
8年ほど前に購入したPELLINIのネックレスとバングルと、今シーズン購入したMalfroy Millionのストールが、偶然にも色がぴったりで嬉しくなったコーディネート。 ネックレス、バングル PELLINI / ストール Malfroy Million / リング WOUTERS&HENDRIX(全て本人私物)
珊瑚モチーフで集めたコレクション (上から時計回り)バッグ ISABELLE DU RIVAU / ピアス Inoya Makiko / クラッチバッグ Lorenza Gandaglia / 赤い珊瑚のブローチ、ピアス、ネックレス STEFANO POLETTI / 樹脂ネックレス PELLINI / スカーフ Malfroy Million / オレンジとグリーンのネックレス hemma design à porter(全て本人私物)
ファッションの中でも特にアクセサリーは単体で見られがちですが、一見主張が強そうなものでも、洋服と繋がりを作ることで自然と馴染み、コーディネートしやすくなります。
お店でディスプレイを考えている時に、全く違うブランド同士の色やテイストがぴったり合うとスタッフ同士で盛り上がったり、お客様がお持ちの小物にぴったりハマるアイテムをコーディネートできると嬉しくなったり。フランソワーズはそういう繋がりを持つアクセサリーのことを「ファミリー」と呼び、ブランドが違っても、同じテーマや色のアクセサリーたちを揃えて色合わせを遊ぶ楽しさを教えてくれました。

華奢な18金のジュエリーをお守りのように肌身離さず着ける人もいると思いますが、私にとってのアクセサリーとは毎日着けるものではなく、日々変えて楽しむもの。帰宅したら必ず外すような帽子やストール、バッグと同じ感覚で、その日の気分や洋服に合わせて身に着けています。夏は海モチーフ、秋冬はニット素材のネックレスなど、自分の中で季節感を楽しむこともできます。

ハット SOLO MILLO / ストール TAMBOUR PARIS(全て本人私物)
H.P.FRANCE Boutique配属当初に購入したもので印象に残っているのが、このTAMBOUR PARIS(タンブール・パリ)のキツネストール。手作りの温かみが感じられ、動物モチーフなのに甘くなりすぎずコーディネートに遊び心を加えてくれるところが好きです。バイヤーのフランソワーズがパリの展示会でこのストールを見つけたことをきっかけに、H.P.FRANCE Boutiqueでの取り扱いが始まったという貴重なエピソードも。

PELLINIの樹脂に込められた物語


今まで集めてきたアクセサリーの中で、特に好きなブランドの一つがPELINNI(ペリーニ)です。最初に購入したきっかけは、私自身が色や柄をふんだんに使うファッションが好きで、洋服に負けない存在感を放つアクセサリーに惹かれたからでした。

 PELLINIのアクセサリーコレクション。一番最初に買ったアイテムは、鮮やかなターコイズブルーのバングル。一つ一つのパーツをよく観察すると、樹脂の中に様々な素材が使われていることが分かります。(全て本人私物)

PELINNIの特徴といえば、樹脂で固められたパーツです。その中には砂やラメ、木屑、藁など、シーズンテーマによって様々な素材が閉じ込められており、星座や海、絵画などのテーマに合わせてデザイナーが描いたイラストも多用されています。一つ一つの樹脂の中に物語を感じられるのが面白く、「可愛い!これ欲しい!」と思ったら、いつも直感で選んできました。身に着けていると、子供の頃に好きだった砂遊びや、キラキラ光る樹脂のアクセサリーを集めていた時のワクワク感を思い出します。 最近ではシンプルな洋服にPELINNIをメインに着けるような、シックにまとめるコーディネートも多くなりました。年齢を重ねていくにつれ合わせるものが変わり、その時その時で違う見え方をするのもアクセサリーの楽しみの一つだと思っています。
所有するPELLINIの中でも、一番よく着けているシリーズ。樹脂の中から見えるデザインが大好きで一目惚れでした。
ネックレス、バングル PELLINI / ピアス hemma design à porter / リング ROSA MARIA / バッグ Mariana Mendez(全て本人私物)

作り手を連想できる作品


自分のコレクションを見返して共通していると思うのが、作り手の想いを感じられるものが好きだということ。H.P.FRANCE Boutiqueではクリエイターが個人のアトリエで制作しているような、比較的小さい規模のブランドを沢山扱っています。そういったブランドは、大量生産で世に出回っているブランドとは異なり商品数も少なく、一つ一つ丁寧に作られていることが直に伝わってきます。Mariana Mendez(マリアナ・メンデス)もお気に入りのブランドですが、デザイナーによる手書きのペイントも特徴的で、どこか未完成な手作り感に作り手の温かみを感じます。
PELLINIの珊瑚ネックレスの色に合わせてトップスをチョイス。同じくMariana Mendezのバッグは編み込まれた素材とクリーム色でコーディネートの繋がりを作ります。
ネックレス、バングル PELLINI / バッグ Mariana Mendez / リング ROSA MARIA / シューズ COLLECTION PRIVEE?(全て本人私物)
13年間のアッシュ・ペー・フランス生活の中で、お客様やスタッフとの思い出はもちろん沢山ありますが、自分が集めてきたコレクションは、私にとって目に見える「自分の歴史」だと思っています。基本的には直感で選んできたものばかりなので、往々にして購入直後に出番がないアイテムもありましたが、一年越しでぴったりなコーディネートを発見し大活躍するなど、後悔したお買い物は一つもありません。
最近は、世間でモノを持たないミニマリズムな生き方が提唱されていたりもしますが、私自身はやっぱり素敵なものを自分の手元に置いておきたい性分なので、これからもコレクションは増え続けていくと思います。

 hemma design à porterのアクセサリーコレクション(全て本人私物)
昔から天然石の不思議な色味や模様が好きで、hemma design à porterの石と大ぶりなチューブという異素材の組み合わせが面白く、ついつい集めてしまいます。淡色の天然石には沢山の色が混ざっているため、自分の洋服ともリンクさせやすいところがポイント。丸や三角などの幾何学なデザインも魅力です。