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Episode.05 クリエイターの手仕事を愛でる


堀江 早紀子さん

よく訪れるお店
goldie H.P. FRANCE、H.P.FRANCE BIJOUX、水金地火木土天冥海
 


 

マニアックな世界との出会い

アッシュ・ペー・フランスで最初にお買い物をしたのは19か20歳の時、ふらっと立ち寄った原宿のお店でGEM KINGDOM(ジェム・キングダム)のハートモチーフのネックレスを購入しました。その時の接客が独特で、デザイナーがどういう成り立ちでネックレスをデザインしたかを、お店の方が事細かに説明して下さったことに感動したのを覚えています。その接客がなければそのまま通り過ぎていたと思いますが、私自身もマニアックな人間なので、白蝶貝と天然石の使われ方や制作背景など、恐らく素人目では分からないディテールを聞いて一気に引き込まれました。しかも、お店の皆さんの商品に対する愛情が深く、自分の「好き」を貫くスタイルを見て、私も素敵に着こなしてみたいと思わせてくれました。 そして、もう一つ感動したのが、美術館のようなお店のディスプレイです。アッシュ・ペー・フランスのお店では、例えばgoldie H.P. FRANCEだったらバッグがあり、ストールがあり、帽子があり、まるでそこに人がいてお洒落をしているようなディスプレイに、いつも惹きつけられています。


コーディネートのポイントは胸元のアクセサリー。今年、宝島社から発売されたアッシュ・ペー・フランスのブランドブックで、市川実和子さんがGEM KINGDOMのネックレスを重ね付けしていたのが素敵で、そこからアイデアをいただきました。
胸元の中央には、最近手に入れたAprosio&Coのリャマのネックレスを。子育てが落ち着いてからはDELPHINE CHARLOTTE Parmentierのような格好良いデザインにも惹かれて、こちらも最近ネックレスを初購入しました。ずっと欲しかったSERGE THORAVALのマイユリングは、パステルカラーの色石がドンピシャ。標本みたいで可愛いから、普段はあまり着けずにボールグラスの中でディスプレイして眺めています。Tabrikのドレスは、ちょうど草木染めに興味が湧いた頃に水金地火木土天冥海で出会い、その巧みな染めのテクニックに惚れました。

 ネックレス Aprosio&Co、DELPHINE CHARLOTTE Parmentier、CARORINA BUCCI、The Magpie & The Wardrobe、SONIABOYAJIAN / 右手 ブレスレット Aprosio&Co、リング 人差し指 SERGE THORAVAL、薬指 LIA DI GREGORIO、ALEX MONROE、左手 ブレスレット LOQUET LONDON、リング 薬指 ALISON LOU、CARORINA BUCCI、LIA DI GREGORIO / 付け襟 Emma Cassi / ドレス Tabrik(全て本人私物)

 

こだわりは「手仕事」と「花」

私は子供の頃から母が手作りしてくれたものを身に着けて、お洒落が大好きな母と一緒に育ったので、「人の手」によって作られたものが好きでした。そして、大人になりアッシュ・ペー・フランスというクリエイティブなデザイナーたちが集う特別な世界観を知り、「自分が好きなものが揃っている場所だ!」と思いました。
お店では特に、手仕事を感じられる、どこか懐かしさがあるものに惹かれます。また、趣味でフラワーアレンジメントを続けていて、お花モチーフが目に入ると見境なく集めたくなるほど大好きです。
フラワーモチーフで揃えたAprosio&Coコレクション(全て本人私物)
そのような背景もあり、美しい花々をレザーのパッチワークで表現するSUSANNAH HUNTER(スザンナ・ハンター)の作品を、初めて見た時は衝撃でした(笑)。自分に子供が産まれた後は、子供に触れても安全な素材や使いやすいデザインを選ぶようになり、SUSANNAH HUNTERは柔らかなレザー素材でビーズなどの装飾も付いておらず、特に斜めがけバッグは両手も空くので大活躍でした。

 SUSANNAH HUNTERのコレクションの一部。これでもかなり厳選したものです。
東日本大震災の年、goldie H.P.FRANCEにて開催されたチャリティオークションで手に入れた、SUSANNAH HUNTERの桜モチーフのバッグ。世界中に一点しかない特別なデザインです。
Emma Cassiのアクセサリーコレクション(全て本人私物)

他にもAprosio&Co(アプロジオアンドコー)やEmma Cassi(エマ・カッシ)など、今まで沢山コレクションして来ましたが、買ったものは全て覚えています。そして、一点一点ずつじっくり語れるような思い入れがあるものばかりです。

モノへの深い愛情


自分の子供が幼い時は、出掛ける前日にコーディネートを準備する余裕さえありませんでしたが、子供が大きくなったここ数年は余裕も出てきたので、週末になると二時間程かけて自分が身に着けたお洋服やジュエリー、使った小物類のメンテナンスをしています。 例えば、SUSANNAH HUNTERの白いレザーバッグを一日汚さないように物凄く気をつけて使っていたのに、夕方見たら一本シワが入っていたりすると、発狂してお店の方にお手入れのご相談をするくらい、どれも大切な宝物。お店に滞在している時間の大半は、どうすればきれいに使えるか、スタッフの方々にお手入れ方法を詳しく聞いているかもしれません。最近は、高校生になった娘が私のバッグをこっそり借りて行くことがあり、大変な使い方をして返ってくるので、その度に一生懸命クリームを塗ってお手入れしています。

アッシュ・ペー・フランスのアクセサリーは家に飾っていても絵になります。王道のビッグメゾンはどこか決まりすぎている気がしますが、対して何か一癖温かみのある作品が多いのが、アッシュ・ペー・フランスの魅力だと思います。 リングケース上段左から ALISON LOU、GEM KINGDOM、SONIABOYAJIAN、CARORINA BUCCI / 二段目 redline、BUG BAGUES by Melania Crocco、ALISON LOU、STEFANO POLETTI / 三段目 chigo、LOQUET LONDON、SONIABOYAJIAN、CARORINA BUCCI / 四段目 左から三点 Jaipur Jewelry by Masami、一番右 DORETTE / 五段目 LIA DI GREGORIO、DRAGON ROSE、BUG BAGUES by Melania Crocco、DRAGON ROSE / 六段目 MARIHA、DRAGON ROSE、LIA DI GREGORIO、DRAGON ROSE(全て本人私物)
今振り返って思うのは、より長く大事に使えるものを選んできたということ。雑誌の広告で何度も目にするような一過性の流行り物はいずれ飽きてしまうので、その時々の流行に左右されないようにしています。それよりも、自分に似合って納得できること、そして何かワクワクさせてくれる要素が大切だと感じています。

 動物やフラワーモチーフのAprosio&Coコレクション(全て本人私物)


私の中でアッシュ・ペー・フランスのお店にあるモノは、「この洋服に合わせよう」という選び方をするよりも、好きなモチーフや色、何かワクワクすることなど、自分が気に入る部分を一つでも見つけて選ぶことがポイントだと思っています。何故ならストールにしても、アクセサリーにしても、バッグにしても、一つ一つのデザインがすごく個性的だから、そうやって選んでいくうちに、自然と自分のファッションに取り入れやすくなる気がします。
パステルカラーで揃えたAprosio&Coのアクセサリー(全て本人私物)
PAZUKIのストールコレクション(全て本人私物)