いままで一緒に二子玉川で働く機会があると当然ながらいろいろな経験をお持ちの方々がいらっしゃいました。たくさんの出会いもあれば別れもありました。


なかでも、すでにお辞めになった美大出身の女の子は印象的でした。

「わたし藝大の２次試験まで通過したんですがダメでした。」というもの。お伺いするとなかなか興味深い内容です。


通称藝大で言われる東京藝術大学。上野にある唯一の国立美術大学。言わずもがな日本一のレベルを誇り美術・音楽ともにプロの卵が集う名門校です。


当時の絵画学科はおよそ20倍から30倍の競争率。彼女の受験した工芸学科は１０倍ほど。センター試験(現在の共通テスト）３教科+1次試験（石膏像の鉛筆写生）→2次試験(平面表現<色彩構成>+(立体表現)<粘土構成>)と、ここまでとのこと。最終的には３教科の学科も含めた総合点で決まるので、センター試験も失敗できないそうです。たとえば実技は得意だけどセンター試験で３割しかなかったとしたら実技すべて満点でないと受からないとのこと。当然ながら実技はできても英語や国語などの学科で不合格になる受験生もいます。


「これは運でしかないのですが１次のデッサンの席の場所はくじ引きなんです。でも私は運が良かったので一列目だったんですよ～。私はデッサンは得意でその上、課題の石膏の真ん前の特等席だったのでチャンスだったんです……」










一方で、この愛読している漫画の主人公のあららぎさんは３浪で合格されたのですが、２浪目は残念なことにくじ運悪く二列目。

石膏まで離れているうえに、一列目の人達でモチーフが隠れている。横にある植物が石膏の顔を微妙な位置で隠してしまい最悪の構図。身長は150センチの主人公は少しでも見えるように上着を座布団がわりに椅子に敷いた途端に試験官に「それ駄目、下に敷くの。取ってください！」と厳重注意されてお気の毒でした。

生まれついての才能+勉強できる環境、音楽なら潤沢なレッスン料+本人の努力+どこからか舞い込む「運」の４点セットが揃わないと合格できない学校なんだと、しみじみ思いました。





Jamin Puech 　PAINT TUBE キーホルダー 　各20,900 円 (税込)














絵も描けない、粘土で作品もつくれない、音楽も楽譜が読めない、ピアノも弾けない、尺八もできない、かといってお能も舞えません、日本舞踊も踊れません、という方にも藝大には学科だけで勝負できる美術学部芸術学科というチャンスもあります。外国語や歴史、論文で挑めます。

ただし１次の共通テストは３教科９０％が最低ボーダーラインなので教科数こそ違いますが東大受験組と互角の準備をしなければいけません。

昔、演習で使っていた昭和63年の代々木ゼミナールのフランス語入試問題集にありましたので二次試験のフランス語をちょっと訳してみると、

「芸術にとって必要不可欠なもののひとつは誠実さである。（…）しかしミレーは自分の信念に対して完全なる誠実である。というのも自分を誠実だと思っている多くの芸術家は自分の理論を信じてはいるが、その理論が芸術作品になるにはそれだけでは不十分である……」

あー、こんな難しいフランス語というか日本語。果たしてこれは……18歳の高校生向けというよりも大学院の入試に近いです。しかも次の和文仏訳は仏検１級を遥かに超えていて仏訳は沢山の構文を使い、正確に綴りも時制も間違わずに仕上げなければなりません。

大変な筆記試験です。英語なら更に高度な文献を出してくるでしょう。こんな学生が欲しいなんてやっぱり藝大ってすごいんだー。と圧倒されます。





Jamin Puech PAINT TUBE キーホルダー 　各20,900 円 (税込)




この漫画で主人公が３浪目であることに気付きます。布団のなかで「おはようラボルト」

「その朝は私にとって特別だった。朝日を浴びた石膏像は美しかった。三浪もしてー私は本当の意味でわかっていなかった。　光がこんなにも美しいことを」

自然光に覚醒してから作品がどんどん調子が上がり、めでたく合格を手にいれられます。「そうだー、楽しんで描けばいい」「モチーフの良いところをみつけて、モチーフで遊べばいい。」　自然光があたるものはなんでもキラキラと輝きますよね。





さてモチーフの楽しさ、そして周りの光をとりいれて輝くバッグがこのお店にもあります。今回はJAMIN　PUECHのご紹介です。



















タータンチェックに細やかに刺繍が輝く小さめサイズのデイリーバッグです。フロントにはペンキを垂らしたシミを刺繍した独創的なデザイン。絵の具のチャームとの相性もぴったりですね。


Jamin Puech SPLASH バッグ 　165,000 円 (税込)　　キーホルダー別売り












ブラックのタータンチェックにイエロー絵具を散らしたのポップなデザイン。色彩のメリハリがきいたニュアンスが楽しめる素敵なバッグです。





Jamin Puech SPLASH バッグ 　165,000 円 (税込)













真っ白なキャンバスを思わせる清潔感のあるホワイト。柔らかなレザーにハンドステッチでパッチワークを施した定番のトートバッグ「HONU(オヌ)」。長財布・スマホ・ポーチの必須アイテムがしっかり収納できるサイズ感です。

Jamin Puech HONU MINI バッグ 　79,200 円 (税込)












定番レザーパッチワークバッグ「JONU」のショルダータイプが登場。スコットランドのタータンからのインスピレーション。控え目ながらカラフルなレザーステッチを施しました。　冬の白はおしゃれのポイントが上がります。

Jamin Puech JONU SH TARTAN バッグ 　99,000 円 (税込)








二子玉川店で大人気のトーンオントーンのパーツで美しい輝きを放つミニバッグ。ポイントは立体的な花のモチーフ。ハンドルの一部にビーズの刺繍を施しておりリッチな仕上がりとなっています。


Jamin Puech PALEY バッグ 　148,500 円 (税込)






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暖炉の炎がインスピレーション。ブラックのグラスビーズとクリスタルパーツを使い、熟練の職人によって全て手刺繍されています。ハンドルにはビーズ刺繍が贅沢につかわれています。レザーのショルダーベルト付き。心の中の炎も大きくなりそうな素敵な仕上がりですね。

Jamin Puech FIRE バッグ 　　121,000 円 (税込)



ではまた次週まで。






   


    
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【二子玉川店ブログ担当】 -撮影・執筆-　戒田格（かいだいたる） 学習院大学大学院フランス文学博士前期課程修了。　goldie横浜店9年→二子玉川店(ただいま3年生)　気が付けば人生の五分の一がgoldie。　


･････････････････････････････････････････ ---SHOP INFORMATION---･････････････････････････････････････････ 【goldie H.P.FRANCE二子玉川店】 住 所:東京都世田谷区玉川3-17-1　玉川髙島屋S・C　TEL :03-5491-0322 営業時間：10:00～20:00（当面の間） 新型コロナウイルスの予防対策や感染防止として、二子玉川店の営業時間が変更することもございます。 詳細はアッシュ・ペー・フランスのホームページ、玉川髙島屋ホームページ等で営業時間をご確認ください。



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