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2020.11.18
上野友幸個展「The world goes on」2020.11.27-12.26
期間:2020年11月27日(金)〜12月26日(土)


hpgrp GALLERY TOKYOより、上野友幸個展「The world goes on」開催をご案内申し上げます。

上野友幸は東京芸術大学大学院を修了後、2009年からベルリンを拠点に国内外で活躍するアーティストです。DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生、ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリン芸術大学を修了し、2017年よりクンストラーハウス・ベタニエンにて一年間のレジデンスに参加するなど着実に実績を積み、2018年にはモスクワ・ビエンナーレ・フォー・ヤングアートに選出されています。

本展覧会に出品する大理石や化石、蝶の標本や枝といった自然素材から作り出される作品には、芸術と日常を接続しようとする上野の強い意志が感じられます。

「Wave Sculpture」は大理石プレートとアクリルマウントの写真を組み合わせた作品シリーズです。大理石にの模様と写真の波を繋げるように並べることで、大理石の模様は波に見え、波は大理石模様のようにも見えます。それは古代ギリシャ時代から芸術家達が大理石を使って、造形的リアリティーを追求してきた歴史に対する上野の挑戦でもあります。この作品を鑑賞した後、私たちは海や川に大理石の模様を投影したり、大理石の外壁やテーブルの模様に波を見るようになるかもしれません。つまり、上野は展示空間を飛び出して日常風景をも彫刻化していると言えます。

蝶のコラージュシリーズは生と死を扱ったポエティックな作品です。花のある生活を写したモノクロ写真の上には、鮮やかな蝶がピンで留められています。所々色のついた花は、その蝶の羽根の模様を切り取って貼り付けられたものです。蝶と花が互いを必要とするように、人類もその昔から、誕生を祝うときも弔うときも花を必要としてきました。このシリーズからは、そのような生死を超越した一元的世界を感じることが出来ます。

本展覧会では変わりゆくものと変わらないものを対照的に見せており、蝶のコラージュやこの帰国中に拾い集めた小枝を繋ぎ合わせた作品は朽ちていくことを暗示させると同時に、繰り返される生命を感じとることも出来ます。現在、パンデミックが私たちの日常に大きな影響を及ぼし、「The world goes on」というテーマが示すように、世界は変わり続けます。しかし、その変わり続けることで維持されているものにこそ我々は普遍を見つけることが出来るのです。

この機会にhpgrp GALLERY TOKYO初となる上野友幸の個展を是非ご高覧ください。


Artist Statement

私たちの日常に存在する「形態」と、歴史的な「彫刻の構造」を重ねることで、芸術にリアリティーを与え、同時に日常の眼差し(認識の枠組み)を変えたい、ということかが、私の作品制作における動機である。
通常、我々は世界を認識するときに自分と世界、自分と他者のように二元論で考えているのではないだろうか。それに対して、禅の教えでは自分も世界も他者も全てが一つであると捉えると言われている。それは食を通して無数の命を自身に取り込むように、生と死が繁殖とともに繰り返されるように、人も空気も宇宙の全てが分子で構成され、その分子が入れ替わっているように、世界が一つだと捉えることは理にかなっている。しかし、我々の知識は物事を分けて、そして対立させることで成り立っている。

芸術は知識を超えうる言語を持っている。そして、その芸術はものを変容させる技術に長い歴史がある。

絵の具がイメージに、石が石像に、音が音楽に変容する。その変容とは「境界の溶解」であると言い換えられる。私が蝶の羽根から花を作ったこと、小枝を集めて網を作ったこと、そして大理石の模様と雲の模様を繋ぎ合わせていることは、まさにこの変容へのアプローチであり、境界の超克とも言えるだろう。

普段我々が目にするものがどのように芸術における歴史的文脈と結びつき、さらにこの「生と死」という宿命を超えた存在になり得るか、ということが私の作品制作への情熱を支えている。


Special Thanks: Koki.M
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