H.P.FRANCE PRESS × BUYER 2020年春夏コレクション トレンド対談 PART 3
TROPICAL〜サステイナビリティから生まれるネイチャーモード〜


アッシュ・ぺー・フランスのプレス 江間とバイヤー 斉所が、最新コレクションを紐解くトレンド対談。最終回となる第3弾は、クリエイターたちが「サステイナビリティ」という社会的課題にどのように向き合うのか、そして自然の美しさを表現する「ネイチャーモード」についてご紹介します。
 
 

PROFILE


H.P.FRANCE PR 江間 亮子(えま りょうこ)
90年代の「フレンチスタイル」ムーブメントの洗礼を受け、一歩でもフランスの文化に近づきたく、96年にアッシュ・ペー・フランスの門戸を叩く。以降ファッションの持つ魔力に囚われて、「伝える人=PR」であるべく奮闘中。

H.P.FRANCE BUYER 斉所 素子(さいしょ もとこ)
2005年、アッシュ・ペー・フランス入社。goldie H.P.FRANCE新宿店にて販売、5年間の店長職を経て、H.P.FRANCE SHOWROOMバイヤーに。年間4回パリ、ロンドン、ミラノなどヨーロッパ出張へ出向き、独自の感性と受信力で新しいトレンドとニュークリエイターの発掘を行う。現在は、goldie H.P.FRANCEのバイイングも手掛ける。




江間 今シーズンは、クリエイターたちが「サステイナビリティ」という社会的課題に真っ向から取り組む強い姿勢が見えますね。環境問題だけではなく、職人の育成や文化の継承など、自分たちがやるべきことをどう未来につなげていくか、という複雑な課題に注目するブランドも多いです。

斎所 実際にヨーロッパで買い付けをしていると、特にイタリアでは自国の代表的な産業を供給から見つめ直し、サステイナブルな方法へ変えていこうとする姿勢が目覚しいと思いました。革メーカーや生地メーカー、ターンナーなどファッション小物の素材から生産までを司る工場が沢山あるため、皮製品の生産においては認証を受けた食用動物のみ使用し必要以上の殺傷を無くすなど、生産背景を可視化する「トレーサビリティ」が進んでいます。

江間 FALIERO SARTI(ファリエロ・サルティ)もイタリアで一大産業を担うテキスタイルファクトリーを母体に持ち、デザイナーのモニカは「今からできること」についてずっと考えてきたそう。例えば、「黒」の染料を使うために必ず化学成分を含んでしまうという問題があります。ファッションで夢を与えるブランドとして、果たして完全に黒を排除することが正解なのか?生産背景を知る彼女だからこそ、どのように問題に向き合うべきか常に考え続けることが大切だと話していました。

斎所 このムーブメントをきっかけに、「ものを大切にする」ことについても改めて考えて欲しい。パリ、ミラノ、ロンドンを周り、ファッション系のイベントに参加するとエコファーを着ている人が多いですが、実際に街を歩くと何十年も使っていそうなミンクのコートを着る年配の女性も沢山見かけます。リアルファーを完全に否定するのではなく、自分が大切にしているものを持ち続ける姿勢も、一つのサステイナブルな選択として忘れてはいけないと思います。

江間 大量生産の洋服をワンシーズンで捨てるのか、10年先まで愛せるものを選ぶのか、消費者側の考えも変わっていくべきですね。とくに日本では、「エコファーが良い」という一つのキーワードに流されがちですが、欧米ではもっと自分の選択について日常的に議論が交わされています。ヨーロッパのブランドとお付き合いがあるからこそ、環境問題だけに流されるのではなく、消費行動一つをとってもサスティナブルに繋がることを意識していきたい。

CLAUDINE VITRY(クロディーヌ・ヴィトリー)『アート感のある暮らし』のインタビューにて)

斎所 クリエイターの想いが詰まったものを、自分が気に入って買う=クリエイターを支援する行為も、サステイナブルに繋がりますよね。アッシュ・ペー・フランスが2019年に発行した冊子『アート感のある暮らし』を、参加クリエイターの一人であるCLAUDINE VITRY(クロディーヌ・ヴィトリー)に渡した時、冊子を開いた瞬間とても喜んでくれたのを覚えています。「溢れ出るクリエイションを作り続けられるように、ずっと支援してくれているアッシュ・ペー・フランスに感謝したい」と話していました。クリエイターが気持ち良くものづくりを続けられる環境を、会社としてずっとサポートしてきた行動も、一つのサスティナブルだと言えますよね。緻密な装飾のピース一つひとつを作る職人の生活が守られ、技術や文化も継承されていく。

江間 活動そのものが究極のサステイナブルであり続けるべきですね。一過性のトレンドで終わってしまうのではなく、どういう生き方、どういう選択をしていくか、今一度考えるきっかけになるシーズンになると思います。
(右上から時計回り)バッグ JAMIN PUECH ¥62,000+TAX / バッグ JACQUES LE CORRE ¥145,000+TAX / ピアス CORSI JEWELRY ¥8,500+TAX / シューズ MICHEL VIVIEN ¥89,000+TAX / ピアス ¥25,000+TAX, ネックレス ¥20,000+TAX CLAUDINE VITRY / スカーフ FALIERO SARTI ¥29,000+TAX / ピアス FLORIAN ¥16,000+TAX
  
江間 今シーズンは「サステイナビリティ」が注目を集めるなか、やはり自然にフィーチャーしたクリエイターが多いですが、ナチュラル要素を引き出すというよりは、自然の美しさや強さに置き換えるブランドが目立ちます。クラフトワークで仕上げたり、ネオンカラーで人工的な要素を加たりと、アートに昇華させるスタイルが特徴的。
JAMIN PUECH(ジャマン・ピュエッシュ)は、一つひとつ立体のフラワーモチーフを付けたバッグを提案。JACQUES LE CORRE(ジャック・ル・コー)は植物園をテーマに、ケミカルなイエローとラフィア素材のコントラストをプラスしています。

斎所 MICHEL VIVIEN(ミッシェル・ヴィヴィアン)はナビ派からインスパイアされたコレクションで、色鮮やかな自然を抽象画のように表現しています。CORSI JEWELRY(コルシ・ジュエリー)は色をふんだんに取り入れて、自然界のみずみずしさを表現。緑や黄色を基調に、甘いフラワーモチーフではなく、抽象的でアーティスティックに自然を表現しているところが印象的ですね。

パリにあるMICHEL VIVIEN(ミッシェル・ヴィヴィアン)のアトリエにて、ナビ派を連想させる一角。

斎所 FLORIAN(フローリアン)は“Sort of Napoli”をテーマに、ナポリイエローをふんだんに使ったコレクションを提案。デザイナーがこだわって表現した、少し影のある不思議なイエローをお楽しみいただきたいです。
  
江間 ネイチャーモードには、サスティナブルなアクションのハッピーなメッセージが込められているように感じます。「環境に配慮した自己表現の第一歩」と捉えて、自分のスタイルに取り入れていきたいですね。
クリエイターたちは、ハッピーで美しいものに対する共感を求めて、今日も物づくりを続けています。

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