New York Diary -クリエイターたちのおうち時間-


―H.P.F, CHRISTOPHER 安西啓子



5月、澄んだニューヨークの空です。ジュエリーデザイナーたちがそれぞれのお家から、私たちが住む大好きな街・ニューヨーク、それから「今」の生活について、ダイアリーを届けてくれました。H.P.F, CHRISTOPHERを通して繋がっている大切な仲間たちです。



_____________________Kimberlin Brown

キンバリン・ブラウン(Kimberlin Brown)は、フランス人の夫と息子と共に、アートギャラリーが多く集まるチェルシーに長く住んでいます。彼女は自然と美しい色石を愛し、その抜群の色石探しの審美眼とボヘミアンな感性から、独特のフォルムをつくりだします。
「Stay-homeが始まってからも、時折、万全に予防対策をして、自宅から5分ほどのところにあるマディソン・スクエア・パークへお気に入りの木々に会いに行きます。雨の日を好んで行くのは、人がとても少ない上に、春の雨なんてへっちゃら!だからです。」
「ブルックリン・ダンボ地区にある、私のスタジオの窓から見える景色もお気に入りですが、今は、自宅の屋上から見える景色が一番かもしれません。ヨガをしたり、息子のレオと絵を描いたり、夕暮れ時にワインを飲んだり、Stay-homeの今、私にとってのサンクチュアリ(聖域)になっています。ここで、古くからの友人であるリッキー・パウエルの新しい写真集や遠藤周作の本を読んだりもしています。」
_____________________Diana Mitchell

キンバリンとスタジオをシェアするダイアナ・ミッチェル(Diana Mitchell)は、ブルックリン・クリントンヒル地区に暮らしています。通りに木々が並ぶ静かな住宅街です。
「ブルックリンに暮らして、仕事もして、とても幸運だと感じています。ブルックリンはいくつかのエリアに分かれていて、それぞれに独特の空気感と個性があります。私のスタジオがあるダンボ地区は、住宅以外にもたくさんのアーティストスタジオや小さなお店が集まっています。また、クリントンヒル地区は静かで家族に優しい雰囲気なので、様々な人々が暮らしています。そこには素敵な隠れ家レストランが沢山ありますが、私はその中でも自宅からほど近い、スピーディー・ロメオというビザレストランが大好きです。金曜日の夜に、夫と4歳の息子ヘンリーと揃って、角のお気に入りのテーブルで、”St. Louie Pizza”(セントルイス風ピザ)を食べるのが定番。晴れた日に綺麗な写真を撮ろうと思っていったら、一時クローズになっていたので、お届けできなくて残念だけれど…」
彼女のジュエリーは、サイクル・ゴールドとエシカルなダイヤモンドにこだわり、そのクオリティと肌に馴染む美しいカーブやラインが特徴です。
「Stay-homeになってから、自宅の静かで心地よい環境の中でジュエリー制作を続けられるように、あらためて整理整頓をしました。夫が、専用のベンチも作ってくれて、とても気に入っています。」


_____________________Satomi Kawakita

サトミ・カワキタ(Satomi Kawakita)は、細部まで行き届いた職人の技術と洗練されたデザインのバランスが魅力のジュエリーをつくっています。とりわけ、ブライダルのリクエストは途切れることがありません。フラットアイアンに住む彼女にとって、自宅の屋外スペースが一番のお気に入りの場所。
「屋外スペースからの景色は息をのむようで、BBQができるのも最高です。」
※屋外スペースの写真は、自粛期間前に撮影されたものです。
「Stay-homeになってからは、自宅の大きな窓から景色を眺めるのが好きです。これまで日中を自宅で過ごすことが少なかったので、自宅で働くのもいいなと感じています。日々三食作って、新しいレシピをオンラインから開拓したりして!週末には友人たちとオンラインで集まったり、リラックス時間のためにお菓子を焼いたり、ジンジャーシロップを作ったり。お散歩も以前はしなかったことだけれど、今はとても楽しんでいます。夜7時には窓を開けて、エッセンシャルワーカーの皆さんに拍手を送ります。眠る前に長めにお風呂に入って、ヨガもして、健康でいること、ストレスを溜め込まないことを今までよりも心がけるようになりました。」
_____________________Atsuko Bauman

マンハッタンから車で2時間ほどのアップステートと呼ばれる自然豊かなエリアに住むアツコ・バウマン(Atsuko Bauman)は、七宝焼を自身のベースに、自然の中での日常を描写するようにジュエリーを制作しています。彼女は、ハドソン川を望むクレルモン・ステート・ヒストリック・サイトをお気に入りの場所に挙げてくれました。そこは、アメリカ開拓当時から続く邸宅とその敷地から、ニューヨーク州の歴史的保存建築にも選ばれています。
「美しい緑のランドスケープとキャッツキルの山々を背景に、キラキラと光るハドソン川の水面を見ながら、芝の上にゴロンと寝転がってボーっとする。日々の雑念が消えていく感じがするのです。」
「今は、日本の発酵食や手の込んだ料理を楽しんでいます。Stay-homeは、自宅と共に自分自身の頭の中も整えられるチャンスなのかもしれません。屋根裏で新しいリノベーションプランも練り始めました。息子とお絵かきをしたり(と言っても私が描いてばかりですが)、フェルトでお寿司を作ったり、少しでも長く一緒に過ごせるようにしています。」
_____________________Chris Habana

イーストビレッジに住むクリス・ハバナ(Chris Habana)は、ファッション・ジュエリーの最先端を走り続けるデザイナーで、彼の世界観に共感したフィルムメーカーやミュージシャンとのコラボレーションワークも多く、クリエイティブ・ディレクターとしても活躍しています。
「ニューヨークに住んでいて何が好きかって、自宅でのんびり過ごすこと。今の状況だとなおさら、心からそう言えます。新型コロナウイルス流行以前も、仕事場があるチャイナタウンと、自宅があるイーストビレッジの2つのエリアで主に過ごしてきました。私と夫のリッチーは、小さなスタジオアパートメントを心地よいインテリアの空間にしています。30代の頃、訪れた友人たちが分かりやすいように、エントランスホールに黒いマーカーでサインを描いていました。11年経った今もそれらのサインはそのまま残してあり、自分の仕事やパッションのルーツを思い起こさせてくれます。」
「Stay-homeが始まって、料理に夢中になっています。私と夫は、いつも、レストランからテイクアウトを頼んでいましたが(テイクアウトは、これまで多くのニューヨーカーにとって、日々の習慣でした)、今は一転して、毎食、自分たちで料理をしています。料理を日常の退屈な作業の一つだと思っていたのですが、面白いことに、今は没頭することでストレス発散になっています。自分自身を忙しくし、また楽しませる方法を発見したような気分です。近所に住む友人たちに、つくったデザートをシェアしています。お互いの玄関のドアをノックして、そのまま置いていきます。
また、新しいアイデアを考えたい時に、雑誌のバックナンバーやペーパーバック(日本で言う文庫本)を読むことをしばらく忘れていて、久しぶりにその習慣が復活しました。よりシンプルなことに立ち戻っていることに、満たされています。」
「新しいお気に入りの習慣は、毎晩7時に、他のニューヨーカーたちと一緒に窓や屋上から顔を出して、手を叩いたり、お鍋やフライパンを叩いたりして、新型コロナウイルスと戦う最前線にいるエッセンシャルワーカーたちを称えることです。近所の人々が団結して、ストレスを解き放ったり、この戦いをサポートしたりする、とても特別な瞬間だと感じています。」



※クリスとニューヨーカーたちがエッセンシャルワーカーの皆さんへ感謝の気持ちを込めて賛辞を送っている動画です。


「最近は、様々な映画を観ています。ホラーやSF映画が好きなので、『The Platform(ザ・プラットフォーム)』(とても良かった!)と『Color Out of Space(カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇)』、それから古い映画だと、『Nosferatu(ノスフェラトゥ)』が、最近観た中でお気に入りでした。」
「今回のパンデミックが起きるまでいつも自宅でパーティをしてきました。特に親しい友人たちは、同じビルの中に住んでいるか、徒歩5分ほどの距離に住んでいるからです。3年前の結婚パーティも、1階にあるバーでひらきました!私は自分の生活を、このアパートを中心にデザインしています。仕事場も近く、大好きな人たちがすぐ近くにいるこの場所が、自分にとっては世界から守ってくれるシェルターのような存在なのだと思います。自分の現実をこのアパートという4面の壁の中につくっているのです。」



このコラムを書くにあたって、私自身が今、毎日していること、新しく始めたこと、心から楽しんでいることなどをラブレターのような気持ちで書き綴り、デザイナーたちに送りました。数日後、それぞれから、それぞれの表現でお返事を受け取り、たくさんのインスピレーションや光を感じました。わくわく膨らむ何かが、あります。
H.P.F, CHRISTOPHER 安西啓子




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H.P.F, CHRISTOPHER (エイチ・ピー・エフ クリストファー)


98 Christopher Street, New York, NY,
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ニューヨークに暮らす旅が好きな高感度女性とその部屋をコンセプトに、ニューヨーク・ウェストビレッジのクリストファーストリートにオープンしたショップ。日本、アメリカ、ヨーロッパのジュエリーブランドや紅茶、食器などを揃え、お客様にクリエイターの魅力とアート感のある豊かなライフスタイルを提案しています。