ギャラリーの名前はNonaka-Hill


GALLERIST 野中孝義


2018年はものすごいスピードで過ぎ去っていった。ひっきりなしに新しい挑戦の連続の年だった。





2017年の秋頃、夫のロドニーと一緒に、ぼくらの住む街ロサンゼルスにアートギャラリーを作る決意を固めた。急に決めたということではなく、長年ずっとくすぶり続けていた構想だったこともあり、いよいよもう形にするしかない!(お互い年食ったし!)という心境とロドニーが運営していたギャラリーも時を同じくして閉じるというタイミングだったこともあって、意外とあっさりと決意は固まっていった。
ギャラリーのロケーションはセントラルロサンゼルスで、有名なレストランやアートギャラリー、目利きの良い中古家具屋も軒を並べる素敵なエリアだ。ぼくらのギャラリーは元ドライクリーニング屋で、スペースのレイアウトは自分たちで設計し、建築会社と打ち合わせし、コントラクター(建設業者)を選んで、2018年の2月にはオープンという段取りだった。が、ここでアメリカの洗礼を受けまくった。時間どおりには事は運ばない(基本的にみんな大らかすぎ。)、想像していたような空間になっておらずにやり直してもらったりで費用は嵩んでいくし、法律のこと、あるいは建築用語など知らない単語が飛び交い、それを学びながら進行しなければならない。時には英語を話せないメキシカンしか働いていないという現場もあるほど。結局ギャラリーのオープンは3ヶ月遅れて5月にオープンできた。擦った揉んだで時間も気力もギリギリのところまで行った感じだったけど、完成したときは感動した。関係者みんなで喜んだ。



ギャラリーの名前はNonaka-Hill。ぼくはロドニーと結婚したときに二人の名字をくっつけてNonaka-Hillを正式な名字としてアメリカ合衆国に登録した。しかし同性結婚が合法ではない日本では、もともとの名字Nonakaに(Hill)とつけられているだけの状態。これ、どうにかならないかな。

話をもとに戻す。Nonaka-Hillの特徴は、日本の現代アート、戦後美術や工芸など『日本』にフォーカスしたギャラリーであること。日々日本美術史をリサーチしていることをギャラリーで形にし、ロサンゼルスに住んでいる方々や海外から来られる方々に、一味違う角度から日本を知ってもらい楽しんでいただいている。
2018年は6つの展示を企画して、8人の日本人作家をギャラリーを通じてロサンゼルスから発信することができ、自分で言うのもなんだが、各方面より嬉しい評価もいただけて、感謝してもしきれないといった心境だ。

そんなわけで2018年はすごいスピード感で過ぎていき、新しい挑戦の連続だった。一つ言えることは、日本人に生まれて本当に良かったなと思っているし、そうでなければこのプロジェクトは始まっていない。2019年は一つギアを上げてさらなるスピード感で走り続けるつもりだ。