Nathalie Lété × ANTIPAST × 矢野悦子
対談 「EVERY OBJECT IS ALIVE」 贈り物に想いを込めて




今年のLOVE&GIFT のテーマは“EVERY OBJECT IS ALIVE”。クリエイターたちが想いを込めて作ったものを、大切な人にギフトとして贈ろうというもの。作り手である彼らはどのようにクリエイションを届けて欲しいと願うのか。フランス人クリエイター ナタリー・レテ、ANTIPAST(アンティパスト)のデザイナー 地主淳子、そして両者のコラボレートコレクションのディレクションを行った「Lamp harajuku(ランプハラジュク)」ディレクターの矢野悦子の三人が、11月1日よりお目見えする新作コレクションと贈り物をテーマに対談を行った。
 
 
矢野悦子(以下 矢野): 今回のコラボレーションで特にお気に入りは?
 
 
地主淳子(以下 地主): ストールですね。ANTIPASTの過去の生地サンプルから、ナタリーのイラストと合うハギレを組み合わせたデザインなので、みんな違う一点物であるところです。
 
 
ナタリー・レテ(以下 ナタリー): とても素敵なアイディアですね。
 
 
矢野: ナタリーもANTIPASTさんもお好きなモチーフのキノコですが、今回は可愛らしいというより、少し毒っけのあるグロテスクなテイストにしたいと考えました。ANTIPASTさんは、いつもナタリーの原画の雰囲気を忠実に再現してくれて、配色も考えて下さっていますね。
 
 
地主: 例えば「このデザインに反対色の黄色やグリーンを入れていったらよりナタリーの世界観に近づくね」と打ち合わせしながら配色を決めていきます。
 
 
ナタリー: 今回はいつもよりもバリエーションが豊富で嬉しいですね。
 
 

 
 
矢野: 新作のコラボレーションアイテムの中でも、靴下はとくにお気に入りです。柄を着ない人でも靴下だけポイントでモチーフがあるとアクセントになると思うから何色かセットでプレゼントしたい。お二人は、思い出に残る贈り物はありますか?
 
 
ナタリー: 嬉しかったのは旦那さんが40歳の誕生日に贈ってくれた時計。アクセサリーを貰うことが多いですが、とくに気に入っています。
 
 
地主: 私は、30歳の記念に自分で自分自身に買った時計が思い出に残っていますね。
 
 
ナタリー: 以前、友人が自分の寝室の枕元にそっとプレゼントを置いてくれたことがあって。寝る前など好きなタイミングにリラックスした状態でプレゼントを開けることができるから、とても素敵な贈り方だと思いました。あとは、ダイニングテーブルのお皿の上にプレゼントが置かれているのも良い。いずれにせよ、心を込めて準備してくれたものを、寝室や居間など自分のプライベートな空間で開けることができたら嬉しいですね。
 
  
地主: 私の場合は、日々生活していて予期せぬタイミングに、ふと自分のことを思い出して買ってくれたプレゼントがすごく思い出に残っています。誕生日やクリスマスのようなイベントでなくとも、例えば旅先で自分を思い出して買ってくれた小さなお土産や、ANTIPASTのコレクションにはキノコモチーフが沢山登場するので、友人がキノコのアイテムを見つけた時にプレゼントしてくれることがあり、想いが伝わって心に響きますね。
 
 
ナタリー: 子供の頃を思い出すワクワクするアイディアも良いですね。くす玉の中に沢山おもちゃが入っていたり、プレゼントを部屋のあちこちに隠して宝探しをしたり。
 
 
地主: クリスマスに予算を決めて皆がプレゼントを持ち寄り、プレゼント交換をすると、例え小さい金額であっても選んだ人の想いが詰まっているから嬉しくなります。
 
 
ナタリー: そういう、ちょっとしたサプライズが良いですね。
 
 
矢野: モノ自体ではなく、誰からどういったシチュエーションでプレゼントを貰ったか、という行為そのものが大切で、幸せな気分にしてくれます。そして選ぶ側も楽しくなる。
 
 
ナタリー: 私が贈るとしたら、マスキングテープやラッピングペーパーも全てナタリー・レテのアイテムでトータルコーディネートしたい。文房具自体をプレゼントすることもありますが、ラッピングにも自分のアイテムを使うことが多いですね。だからもし、贈った相手が私の作品があまり好みではなかったら、ナタリーづくしの贈り物にがっかりしてしまうかも(笑)
 
 

 
 
矢野: お二人は贈り物を選ぶ時のポイントはありますか?
 
 
ナタリー: 石鹸やお茶のような実用品をプレゼントすることが多いかな。あとは自分が気に入った本を選ぶことも。贈る相手のことを考えて、その人に合うストーリーを選びます。よく旅先で出合ったものをプレゼントに買うので、いつも自宅の箱の中に沢山ストックしていて、クリスマスのようなイベントの時に簡単なラッピングをして贈ります。私のプレゼントボックスはいつも満杯なの。
 
 
地主: 私も年に二回パリに行くので、塩やフキンなど少し面白いものをプレゼント用に集めて買っています。あと、男性は好みがはっきりしている方も多いですが、ソックスは毎日履く消耗品なので、皆さん喜ばれますね。
 
 
ナタリー: 以前ジャムを沢山買って、容器のラベルに贈る相手の似顔絵を描いたこともありました。やっぱり手をかけて作ったものをプレゼントすることが一番好きだし、楽しいですね。昔は手作りの贈り物が当たり前だったけれど、今はその風習も段々薄れてきていて残念に思います。小さい頃はお母さんの手作りケーキやアクセサリーが一番嬉しかったし、写真家の親戚がプレゼントしてくれる写真も好き。自分の家族にも、いつも編み物など手作りのものをプレゼントします。受け取る側も、手をかけて準備したものは素敵な気持ちになると思うから。