始まりはひと吹きのスプレーから


スペインの男性たちがアメリカへ進出していった1920年代ごろから、女性が縫製業で国を支えた歴史的な背景を持ち、高い技術をもったテーラーの職人達を育てたのが大西洋に面したガリシア地方の小さな街だ。この地で、1960年代にデザイナーのロサリオ・フロハン(通称チャロ)の両親が立ち上げたドレスメーカーのインブランドとして、その高い技術力を世に広めるため、1990年代にD-due(デ・ドゥエ)が立ち上げられた。当時ブランドを作るうえでパートナーを探していたチャロは、画家であり、グラフィックの仕事もしていたアルフレド・オルメドと運命的な出会いを果たす。チャロに「ここにスプレーして!」と言われ、アルフレドが目の前のスカートにスプレーペイントをしたことがきっかけとなり、今の「布に直接絵を描く」ことに代表1点物のアートとしての価値をもったD-dueの洋服のアイデンティティが確立する。

双子のようなライン「D-due」と「D-due LAB」
現在ブランドはD-dueという名を冠に、若手も含めたクリエイティブチームが関心を寄せるアート、文学、グラフィックデザイン、建築、映画などの様々なものごとや、そのバックグラウンドを元にしたコンセプトで作られる「D-due」と、アルフレドが描いた絵本を元に、そこに描かれた物語や世界観を表現する「D-due LAB(ラブ)」支えあう双子の姉妹のような2つのラインで構成されている。
毎シーズン、コンセプトやモチーフを変えて独自の世界観を表現し続けるD-dueだが、コンセプチュアルアートのようにその内容を読み解いていくと1つのテーマがしっかりとその中に組み込まれていて、まさに「ダブルミーニング」や「二つの方向から」という意味を持つ、D-dueの名前の由来にもなっている。「人と人、人と自然、人とものが影響しあい、より進化した形になるのではないか」という他者に対する深い敬意と愛を持った考えに繋がっている。