水金の手しごと  ‐reimi-







長くバイヤーをしていると、方程式のようなものがあるように思います。
美しい作家さんに共通している2つの方程式。

1つは、作りたい、表現したいという、強い想いやイメージを持っている事。
もう1つは、そのイメージを形にする為の確かな方法や技術、出会いがある事。

想いと技術、両方があって生まれる美しい作品。
作家たちのものづくりに至るまでのいきさつを聴く事ができるのがバイヤーの特権で、
いつもそれは小説を読んでいるかのように面白いのです。

本日ご紹介するのはreimiのこと。
reimi作家 西田麗美さんは美しいミラーを作ります。

端正で滑らかな曲線美。
ずっと昔からそこにあるような佇まいを併せ持ちます。



麗美さんは鹿児島に生まれ、海がほど近い大自然に囲まれて成長。
学生時代に上京し、20代は東京でグラフィックデザイナーとしてのキャリアを積みました。
上京中に七宝の技術を手にした麗美さんは、ブローチなど小さなものを作り始めました。
鹿児島に戻った後、本格的にステンドグラスを制作し始め、試行錯誤の末ミラーに辿り着きました。
シンプルに自分が追い求める形を追求し、いよいよミラーの制作に入り込んでいきます。


デザインされたラインに沿ってミラーをフリーハンドでカットします。
硬いミラーの曲線ハンドカットは、難易度が高く経験と技術を要します。
カットされたミラーの輪郭に沿って亜鉛合金の鉛線を巻き、ハンダで溶接しフレームを制作していきます。
フレームとミラーの些細な隙間も丁寧にパテで埋め、妥協や隙をつくりません。






この曲線のハンドカットや巻き付けの作業には麗美さんの手に大きな負荷がかかります。
寒い時期は、満身創痍のアスリートのようでいたたまれませんが、
それでも作り続けるその手に魔力に近いものも感じます。

今日電話のむこうで麗美さんが話されこと。

「どうして鏡を作ってるんだろう?
鏡は神様の依り代(よりしろ)だったり、新しい世界へ連れて行ってくれる窓だったり
古くからいろんな意味があって。

今は日常使いするために鏡は私たちの周りにあるけれど
鏡には自分を見つめたり内面を見つめたり、そういうことにも繋がる特別さを持っているから
鏡を作るということは特別なことをさせてもらっていると思います。

だから鏡を作っていてよかった。」




reimiのミラーの魅力的な馬尻毛のタッセルは絨毯作家のtari jutan によるもの。
茜と藍の限定品のタッセルは奄美大島の金井工芸による天然染色。
reimiのミラーには周りの作家仲間たちの手も加わっています。

いずれも一切の妥協のない仕上がりでミラーに添えられ
魔力や技術や周りのクリエイションの依り代となって、
世にも美しいreimiミラーが出来上がるのです。




東洋の手仕事を探し、数週間のインドベトナム買付けから戻った2017年のある春の日。
インドのイスラミックな曲線の窓や、ベトナムの情緒あるモノトーンタイルの床、しなやかな鳥かごの造形美、
そんな異国の残像がまだ熱気をもって私の中にありました。
そんな時に目にしたreimiのミラー。
異国情緒も、日本らしさも、凛々しさも、時の流れも、
そんな漠然と追い求めている理想すべてがそこに映ってみえました。
すとんと腑に落ちた瞬間です。東洋の手仕事を紹介する水金のバイヤーとして、
この鏡を紹介したいと強く思いました。




最初はお互いに緊張していたと思います。
でも出会うずっと前に実はご近所さんだったり、同い年だったり、
そんなことから心の距離感もぐっと近くなりました。
近所の猫の写真を送りあったり、全米オープンの頃には明け方までお気に入りの選手を一緒に応援したりする。
麗美さんとは決定的に好きなものが似ていたり、全然違ったり、いろんな話をしています。

2020年5月に予定していた水金地火木土天冥海での6回目のreimiイベントのことも準備して参りましたが、
残念ながら臨時休業のため開催が延期となりました。



本イベントの為に麗美さんが制作したスタンダードラインのミラーたちが
オンラインストアに登場します。

おうち時間の空間を魅力的に映すreimiのミラー。
未来の窓のように覗いて
‘Flower’にはお花を挿して、愉しんで頂ければと思います。
ぜひご覧くださいませ。 

水金地火木土天冥海バイヤー 土村真美


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