手仕事が際立つパッチワークバッグ


デザイナーは生粋のパリジャン、ブノア・ジャマン。1991年にイエール青年クリエーターヨーロッパで1位を獲得。毎シーズン発表される60~70型ものオリジナリティー溢れる創造的で独創的なコレクションは、刺繍やビーズ、スパンコールで装飾された華やかなものから、レザー、ラフィア素材まで様々。全て職人の手作業で作られるバッグは、完成に数日を要するものもある。バッグという小さな世界に、新たな素材やテクニックで表現されるコレクションはまるでアートのようである。
『HONU』 -オヌ- と名付けられたパッチワークのトートバッグは、ロングセラーの人気定番モデル。

JAMIN PUECHが認知されたきっかけも、デビューから数シーズン後にファッション誌に掲載されたパッチワークのバッグだった。当時はとてもシンプルなデザインであったが、そこから数シーズンかけて現在のモデルに進化した。
様々な種類のレザーを使用し、カラーもベーシックなものから鮮やかなものまで展開されているが、その中でも冬に発表されるマルチカラーのタイプは特に人気が高い。フラッシーなイエロー、オレンジ、ターコイズ…、ドットやチェック、ジオメトリックなどがプリントされたファーは全てオリジナル素材。そこに差し込まれた数枚のブラウンレザーがハンドル、ステッチのカラーと全体をまとめており、通常は裏面に隠すステッチの面をあえて表に出すことで、このバッグにインパクトのあるデザインポイントを与えている。そしてこの作りだからこそ、ごまかしは通用しない。

自社工場で熟練の職人により、5cm角のレザー片、144枚を底面まで手仕事で丁寧に縫い合わされていく。4片が重なる部分をどう処理するかで、バッグの表情は全く変わってしまう。計算しつくされたデザインに従って、それぞれ異なった処理がなされる。そして、約72時間を要して1つのバッグが完成する。マチをたっぷりと取ったサイズ感は、雑誌や書類も余裕をもって収まり、オンでもオフでも活躍する。ハンドルにはボーンを釣り針のように加工したパーツを用い、軽量感を出している。

『HONU』とはハワイ語でウミガメの意味で、現地の人たちにとっては神聖なものとして、現在でも幸福や繁栄の象徴として大切にされている。なるほど、バッグをよく見るとウミガメの甲羅に見えてくる。