:CAFCAとMONAKA


drama H.P.FRANCE

:CAFCA(以下C)  MONAKAは、デザインする時のイメージやソースってある?

MONAKA Jewellery(以下M) デザインソースはないんだよね…逆に「いかに自我を消すか」を意識していて、石とお客様が幸せだったらそれで良い。もちろん石を選ぶのはとても楽しいし、好きな石を選ぶけれど、そこに自分のデザインを加えようとは考えていない。

C 今日、MONAKAのアトリエショップを初めて訪れて、ただジュエリーやデザインだけじゃなくて、アトリエ全体からMONAKAのライフスタイルやビジョンが伝わってきた。もちろんお客様へのサービス・心配りもありながら、2~3種類の椅子や、木をカットしたままの机など、しっかり自分のスタイルも表現している。全体の商品の置き方やディスプレイにも余白があって、すごく良いなって思った。

M ちゃんと考えてやってるんですよ、私も。

C 逆に僕は、誰もいない場所に行きたい願望が強くて、自然に対して今自分がしていることはなんなんだろう、とか常に考えてる。だから山に登ったりキャンプしたりしながら、とめどなく溢れ出す感情みたいなものを表現している。
CAFCA
M ある意味真逆だね、面白い。

C どちらかと言えばジュエリーって、本当は不必要なものだから、それを必要だと思ってもらえるようにデザインすることを意識してるかな。

M すごいね、私はいかに「デザインしない」かを考えてるのに。

C それはクラシックということ?

M うーん、クラシックかはわからないけど、自己表現は一切しない。私はお手伝いしてる感じだから、石とお客様が出会うのを。

C は~。石と対話できるってことか。

M いや、そんなことはできないよ!石は綺麗なだけで何もしてくれない。だからこそ、自然が作るものが一番すごいと思わない?何にも勝てないなって圧倒される。その自然の力を借りて、ものづくりをやらせてもらってる感覚。

C 自然と触れ合っているという意味で、僕達はかなりリンクしているかもしれないね。僕達は「コミュニケーションツール」としてジュエリーを作っている。そのジュエリーを媒介に、人と人が繋がると嬉しいし、お客様や紹介してくれるスタッフみんなの力があって、そこに新しいコミュニケーションが生まれたら、素晴らしいと思う。

M 少し話が変わるけど、私が昔働いていた宝飾品の会社では、ダイヤ、ルビー、サファイア、エメラルド以外は石ころのような扱いだった。見てみると他にもすごく綺麗な石が沢山あるのに、その4種以外は少しでも傷があると蔑まれていて。少しの傷や、クリアじゃなくても、こんなに綺麗な石なのに可哀想!って思った経験がある。

C 資産価値があるかどうか、ではない部分でしっかり価値を作ってるのが、MONAKAのブランド価値なんだろうね。そこからもコミュニケーションが生まれていると思う。

M ただの変わった石ではなく、たまにお客様から言われる「なんか綺麗」っていう言葉が嬉しい。



C その「なんか」がいいよね。言葉にできない良さというか。「なんか綺麗、なんか可愛い」みたいな説明できない感覚は、その人が新
しい体験をしたからだと思う。それすらコミュニケーションの一部で、新しい価値観を作ってる感じがする。

M 今までで一番印象に残ってるプロダクト、作品ってある?

C 強いていうなら、「CHAOS RING(カオスリング)」が一番の転換期になったと思う。自信を持って見せることができる作品だし、コンセプトも良かった。「チェーンを解体して再構築する」という誰にでもできるDIYを、本気でジュエリーにぶつけたものだから。MONAKAはどう?

M 私はロックちゃん(ロックピアス)かな。最初はバイヤーさんの反応も悪かったけど…いざお店に出たら本当にたくさんの子が売れてくれて、有難いことに、いまだにずっと人気なアイテム。「売れそう!」とか「売れるように」という気持ちで物を作っても仕方ないんだと気づかせてくれたから、私にとっても転換期になったと思う。

― :CAFCAとMONAKA。公私ともに仲良くしている二人だが、終始お互いをブランドの名前で呼び合う。二人はデザイナーであり、ブランドである。彼らの中で確かにブランドが生きているのだ。
(聞き手:武田忠彦)


:CAFCA(カフカ)
「選択出来る強い女性」に向けて、一つ一つ職人の手によって丁寧に作られているブランド。K18・プラチナをメインに素材の良さ・線形・機能を生かし、ディテールを意識したデザインが特徴。MONAKA jewellery(モナカ ジュエリー)デザイナーは寳神 朝子。ブランド名は中秋の名月,満月を意味するモナカに由来。世界各地で買い付けてきた珍しい天然石とダイヤを使用したジュエリーを展開している。宝飾品としての宝石と鉱物好きとしての宝石,二つの視点から独自のセレクトで選んだ個性的な石使いや,丁寧に選んだユニークな素材とその持ち味を引き出すデザインが特徴。個人を表現する大切なパーソナルアイテムとして永く愛されるよう一つひとつ丁寧に手仕事で制作している。