SERGE THORAVALとの出会い


Francis BRAUN | フランシス・ブロン



SERGE THORAVAL 「Bonheur 幸せの手錠」


1993年はセルジュ(SERGE THORAVAL)に出会った年だ。
一人の人間、一人のアーティスト、そしてその作品との出会いだった。
当時まだ私にとって見知らぬ男だった彼が、ある朝サン・レミ・ド・プロヴァンスの家に木の箱や包装紙、加工途中の金属片、そして素晴らしいジュエリーがいっぱいに詰まったスーツケースを持って
現れた。
その時の私の驚きといったら。
今までに見たことのないものを見せられた。
上品で洗練され、高貴であると同時に荒削りでパワフルで野性的。
さしずめ商品コレクションを紹介する営業マンというところだったが、感嘆して興味を示す私の反応に驚くほど自信がない営業マンだった。
素材の上に1文字ずつ配置され刻印された文字が、主張したいあまりに叫んでいるように見えるのが一目で気に入った。
やっと何かを語りかけるジュエリーに出会えた。
それもたった1日だけでなくずっと。日常ではなく永遠に。
やっと流行やトレンドに無関心なクリエイターに出会えた。彼は全く自信がなく彼にしてみれば本質からの逸脱を恐れていたし、「僕以前に自分よりずっといいものがすでに作られ尽くしてきた」と言っていた。それでも彼は作品を作り続け、アイディアを模索し続けた。その他のことは考えなくてもよかった。

フランシス・ブロン
サン・レミ・ド・プロヴァンス市内の小売店「グラン・マガザン」オーナー