表現者のための表現者


町田 小都美




これまで、沢山のクリエイターを見てきて思うことは、創る過程において、彼らは「何かを創りたい」というより、「何かを表現したい」という思いが湧き上がり、それを形にするとき偶然にも何かになっていた、ということ。それがたまたま、ジュエリーだったり、バッグだったり、靴だったり、と。それが彼らのコレクションなのです。なので、私はバイヤーとして「物を買う」という感覚はありません。生み出す彼らの「核」のようなものを紹介したい、そう思っています。
それは私にとって使命感というよりも、突き動かされる衝動的な何か、この共感の輪がクリエイターの持つ力だと感じています。

25年前、H.P.FRANCE入社と同時にSERGE THORAVAL(セルジュ・トラヴァル)、JAMIN PUECH(ジャマン・ピュエッシュ)、JACQUES LE CORRE(ジャック・ル・コー)、 JACQUELINE RABUN(ジャクリーヌ・ラバン)、DELPHINE-CHARLOTTE PARMENTIER(デルフィーヌ・シャルロット・パルモンティエ)達と出会いました。そしてこの出会いこそが、これまで見たことのないクリエイションを知り、今の私の原風景を作る出来事となりました。ヨーロッパの人達が作り出すものに共通する、空気感、色合い、素材使い、全てが新鮮で、それまでに見たことの無い創造性に衝撃を受けました。
「ここにはこんな素晴らしいものがある。これをみんなに伝えよう」その時、私の何かが動きました。当時、モノづくりの方に興味のあった私ですが、伝えることを選択しました。
これはまさに彼らのクリエイションが導いた決断でした。
私の人生にもたらされた豊かさや心地よさ、そこにはいつもクリエイションがあるのです。

町田小都美(まちだ さとみ)
バイヤー