ethical_H.P.FRANCE


坂口 真生




“エシカル(Ethical)”とは、地球環境の改善や社会貢献に繋がる選択をする考え方、行動を意味するキーワード。以前から知られる「エコ」や「ロハス」が環境的な要素が強いのに対し、エシカルは環境的問題に加え、児童労働問題など人権的な側面が強いことが特徴だ。世間ではSDGsやESG投資という言葉が急速に広まりつつあり、エシカルやエシカル消費への関心も急上昇中だ。

そもそも、セレクトショップのイメージが強いH.P.FRANCEがなぜエシカル事業を行うのか。それは創業当時からの企業理念がエシカルに通じることに他ならない。H.P.FRANCEの企業理念は「創造的であるということ」「グローバルであるということ」「人が生きるということ」であり、まさにエシカルそのものである。
海外で出会い、日本で長く紹介し続けているJuana de ArcoやOSKLENなどの“元祖”エシカルブランド(私が勝手にそう呼んでいる)は、エシカルやサスティナブルという言葉が日本で知られるずっと以前から、ファッションを通じて社会課題や環境問題に取り組んできた。他にも、女性的な発想や繊細でクリエイティブな感性が時代をつくる、とする考え方「SHEROS(シーローズ)」の活動含め、以前より共生、SDGs、サスティナブル、エシカルに合致するプロジェクトを行ってきた。

今から8年前、偶然書店で見つけた「エシカル」に、雷に打たれたような衝撃を受けた。以前から社会貢献をビジネス化する事業に挑戦したかった私は、まさにこれが探し求めていたことだと気づき、自分のライフワークにしようと決め、合同展示会「rooms(ルームス)」エシカルエリアの企画書をすぐに書き上げた。それから8年、2019年9月開催のrooms39エシカルエリアは、過去最大規模に発展する。また会期中に展示会全体の廃棄物を100%リサイクルする活動など、様々な角度からアプローチを行っていく。

地球環境が危機的状況に陥り、社会課題への意識が高まる今、世の中が求めるものは完全にシフトし始めた。シェアリングエコノミーのようにそもそもモノを所有する必要がないと思う人が増えている中で、社会に貢献する企業やブランドが選ばれ、生き残っていく。よく「エシカルに取り組むべきか」という質問を受けるが、私はもはや「取り組むべき」を通り越して「取り組まないとリスクになる」状況にまで発展していると感じる。世界と比較すると、日本はまだまだエシカルが広まる土壌が整っておらず、変えていかなければならないことが山ほどある。しかし、新たな提案や挑戦をしながら日々開拓していことは、とにかく楽しくてワクワクする。

最近は色々な方に「時代がようやくH.P.FRANCEに追いついて来ましたね」と言っていただくことが多い。創業当時から一貫して掲げてきた価値観が、エシカル事業により広まり、豊かな暮らしを実現するためのカギとなって行くだろう。

坂口真生(さかぐち まお)
エシカル事業部長