ショップ

ブランド

アーカイブ

この条件で並び替え
この条件で絞り込む
ショップを選択する
ショップ
ブランドを選択する
ブランド
2016.12.01
INTERVIEW SERIES - 扉の向こう側 - #006 Vida=Feliz | Sachiko Maeda


INTERVIEW SERIES - 扉の向こう側 -

#006 Vida=Feliz
Candle Artist | Sachiko Maeda


今回お話を伺ったのは、繊細で柔らかな雰囲気をもつマエダサチコさん。
「可愛くも毒のあるもの」をコンセプトとして立ち上げたキャンドルブランド
「Vida=Feliz(ヴィーダ=フェリス)」は、Lamp harajukuが掲げる世界観とも通じています。
キャンドルだけでなく、マエダさんの持つ「あるギャップ」にもご注目ください。






*どんな幼少期でしたか?

− 小学生の頃までは、自分の思っていることをはっきり言えないような、とても大人しい子でした。私は三姉妹の末っ子。写真を見ると、いつもひらひらのお洋服を着せられていました。
一人篭って何かを作っていたのは、幼い頃から。幼稚園生でミシンを使っていたし、小学校1、2年では自分用のパジャマも作っていました。シャーリングを入れてみたり、凝ったことをしていました。その頃両親は、ミシンを触ることに対して、危ないとは言いませんでした。
興味のあるものに対しては、集中して研究するタイプ。昆虫が気になると昆虫採集をして、納得するまで生体を研究したり。キャンドルも、見た目というより中身が気になって、割ってみたり。「どうなっているんだろう?」という好奇心が強くて、どちらかというと男の子っぽかったかな?ぬいぐるみとか、女の子らしいものも持っていませんでした。
幼い頃は、いつも姉たちや両親のことを、どこか俯瞰して見ていたように思います。今思うと、少し大人びた子だったのかもしれません。自分に対する遠慮や、心の中の葛藤が知らずに積み重なっていて、それが少し、身体にも影響していたのかな。

*よく金縛りにあっていたとか?

− そうですね。中学の頃はよく金縛りにあっていて、どこか自分自身を制御できていないような感じでした。あるきっかけでピタッとなくなりましたが、それからは性格がガラリと変わってしまって。突然発言をするようになったり、直接手を使って絵を描くようになったりしたので、両親にも心配されました。でも幼い頃の大人しい自分ではなく、これが本来の私だったと思います。



*以前「兎年で可愛いね!」という話をした時、実は寅年とギリギリで、自分のことを「兎の皮を被った虎」と言っていましたよね。笑
何だかわかるような気がします。

− 初めて会う方は、私の外見や作品のイメージがあるみたいです。実際お会いすると中身とのギャップに驚かれますよ、「あれ?」って。
見た目は今でも大人しく見えるかもしれませんが、人に相談せず自分で決めるところや、悩まないところ、サバサバしたところは、虎っぽいかも!笑
もともと深く考えないタイプだけど、キャンドルを作るときは、感情や思考を入れないようにしています。潜在意識の中で手を動かす感じ。地に足を付けつつも、いつも柔軟に動けるように意識しています。



*「アートキャンドル協会」を立ち上げた理由はありますか?

− 以前、スタッフが次々と辞めていった時期があったんです。私はなんとなく、物事には理由があると思っているので、もしかしたら制作に集中する時期なのかな?と思って、スタッフの募集はかけなかったの。そんな時、一人の生徒さんが入会してきて。その方はキャンドルを学んでいて、自分でも教えられると言うんです。でも実際は、何も知識がなく自己流でされていました。間違った知識を教えることに「怖いな」と感じました。私はキャンドルの製作数では自信がありますし、試行錯誤しながら技術を習得してきたので、ならば私が育成しよう!と思ったことがきっかけです。
それからは全てが決まっていたかのように、必要な人が周りに現れ、トントン拍子に進みました。

*「人が辞めていく」という一点をネガティブに捉えるのではなく、何かの前兆だと冷静に捉えられるところに、男性的で経営者らしい一面を感じます。
ふとした出来事や、人との出会いから”何かの意図”をキャッチするには、日頃から思考をクリアに保っていないと難しいですよね。

− そうですね。教室をしているからかもしれませんが、常に全身を使って周囲に気を張っています。2階で生徒さんに教えながら、1階にいるスタッフの動きにも気付けますし、生徒さんのふとした動作も見逃さないですね。たまに怖いって言われる。



*Vida=felizをスタートさせてから15年ほど経ちますが、一番印象に残っている活動をお聞きしたいです。

− 雑誌『装苑』の表紙です。70周年の記念となる表紙にキャンドルを採用していただき、ラフォーレ原宿の垂れ幕として飾ることもできました。結婚後、東京に来て初めての雑誌のお仕事だったので、とても印象に残っています。アートディレクターの服部一成さんをはじめ、スタイリストの大森伃佑子さんなど、錚々たるメンバーとご一緒させていただきました。「破損が怖いので、現場で作ってください」という要望に、慣れない撮影現場で戸惑いながらも応えました。当時はまだ経験も浅くて、不安を抱えながらのお仕事でした。
大森さんをはじめ、その頃一緒に仕事をさせていただいた方との出会いは、本当に大きな財産になってます。出会いといえば、Lamp harajukuでの取扱いが決まった時は、とても嬉しくて、両手で万歳をしたのを覚えています。

*その頃キャンドルを制作している人が少なかったんです。どうしてもお店で取り扱いたくて、インターネットで探しまくりました。

− 私はちょうど、カフェブックでLamp harajukuがオープンしたことを知って。「可愛いな〜」と思いながら見てたの。私が好きなブランドも取り扱ってるし、「行きたいな〜」と思っていたんです。そしたら数日後に矢野さんから連絡があったの!驚きました。

*サチコさんに引き寄せられましたね。笑

− そうかもしれませんね!過去にも先にも、私が万歳したのはあの瞬間だけです。



*このインタビューシリーズでは、長く活動していないと得られないことや、”続けていくこと“の大切さを少しでも伝えられたらと思っています。サチコさんなりの仕事に対する取り組み方や、苦しかったこと、やり甲斐があれば教えてください。

− 最初の頃は、慣れないことばかりで大変でした。生徒さんとの関係づくりや、納品したものが破損していて返品されたり。知識や経験で解決できないことで、よく泣いてました。
自分でお店をオープンさせたのは、自分で売り込みをするのが嫌だったから。そのうちお客さんからの希望があって、キャンドルの作り方を教えるようになりました。まだ「ワークショップ」という言葉もなかった頃です。人に教えたりするのは苦手だと思っていたので、内心戸惑っていました。でも求められていたし、生徒さんがどんどん増えていって、そのうちアシスタントを雇うようになって、今のかたちになったんです。
こんな感じでいつも自分から動くというよりは、流れに身を任せて進んでいます。心のどこかで、教室ではなく制作をやりたい、という気持ちがあったのも本音です。でも最近になって「私、お教室向いてるかも?」って思えるようになったんです。自分では気づかなかったけど、意外と得意だったんだなぁって。今でこそ「楽しい」と思えますが、そこに辿り着くまでに16年もかかりました。今では生徒さんたちに喜んでもらえるのが、とっても嬉しいです。



*最後に、これから挑戦したいことを教えてください。

− 先のことはあまり決めていませんが、今年になって”キャンドルナイト”の誘いが増えているんです。以前ある方に「いずれヒーラーになって、人を癒やす」と言われたことがあるんだけど。笑
キャンドルの灯りは人を癒やすので、案外そうなるのかもしれない。これからも、流れに身を任せてやっていきたいと思います。




* * * * *

幼い頃から好奇心と自立心を持ち、常に自分と向き合いながらキャンドルを制作し続けてきたマエダサチコさん。
これからも、キャンドルの新しい世界を生み出し続けてほしいと思います。

* * * * *

マエダ サチコ / Sachiko Maeda

1998年、Vida=Felizとしてキャンドルブランドを立ち上げる。
当時日本にはなかったドーナツや花瓶にお花がのったキャンドルなど、
オブジェとしてのキャンドルを作り始める。
現在は育成に力を入れ、キャンドルスクールを主に活動している。
著書に、「キャンドル作りの本」(主婦の友社)
「キャンドルでつくるスイーツ」(文化出版)がある。
http://www.candlevida.com/

聞き手: 矢野 悦子 / Etsuko Yano
https://hpf.store-image.jp/img02/wp-content/uploads/sites/39/2016/12/06141415/w_460/2016vida1.jpg" srcset="https://hpf.store-image.jp/img02/wp-content/uploads/sites/39/2016/12/06141415/w_460/2016vida1.jpg 991w, https://hpf.store-image.jp/img02/wp-content/uploads/sites/39/2016/12/06141415/w_940/2016vida1.jpg" sizes="(min-width: 320px) 100vw/

写真: Tohru Yuasa
www.yuasatohru.com

編集: 藤井 星子