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2019.04.16
コラム 「香る言葉」
ふと自宅のポストに届いていた選挙投票用紙。横浜市の開票は終わりました。

わたしは必ず期日前投票に行っています。


政権放送もながらで聴くのですが、何かに似ている。

国会の中継やりとり、しかも質問に対しての前置きの長い独特な官僚の言葉言い回し 校長先生の朝礼や来賓の言葉だったり。

何を言っているのかはなんとなく分かるものの、心に響かない。

大理石の床ように「つるつる」で「すべすべ」な言葉というのは、右の耳から左の耳へ。脳を経由することなく通り抜けてしまう。


翻って考えてみると販売員のセールストークも同じようなところがあります。

言いなれたフレーズ、ブランドの説明、などなど。

長きに渡って使われたフレーズは酷使され、凹凸がとれてすべすべの言葉となり、お客様の身体に響かないものとなってしまいます。

相手の身体に直接響いて共鳴を引き出す。日々その難しさを実感しております。


さて、相手の身体に響くのは言葉だけではありません。

嗅覚も重要な要素です。香はその人の印象を決定させてしまうインパクトがあります。


先日、友達に香道のお席にお誘いを受けました。
なかなか雅な雰囲気でした。







皆様慣れた様子でいらっしゃったので、ひたすらお隣の方の所作を真似る私。





香の種類の一覧。

冒頭には中納言実行の歌

九重にひさしくにほへ八重桜
のどけき春の風としらずや

と「金葉集」の歌が添えられていました。


さて、これから回される3つの香炉。

そのの香を当てるというもの。
まず3種類の香炉を嗅覚で記憶。「九重」「八重桜」「春風」の3つ。








こちらがわたしの回答。非常に難しく、残念ながら三つの香炉すべて間違えてしまいました。自分の嗅覚というのは案外当てにならないものであると実感いたしました。

香と言葉がなかなか一致しないというのも初心者には難しいものでした。

全問正解の方には「風光る」

それ以外の方は「春らんまん」と一筆がが添えられていました。

言葉で相手の身体に響いたり香りを感じさせたりと、そんな接客ができれば、と思っています、





コラム執筆 戒田 格(かいだ いたる)




2011年入社。学習院大学大学院フランス文学専攻修士修了。専門は19世紀フランス詩。
横浜goldie一筋9年目突入となりました。休日は朝酌、昼酌と叶巨壽庵の和菓子とウイスキー(サントリー知多)の宅呑みが至高の幸せ。
最近のお気に入りの米国ドラマはスティーブン・キング原作の「キャッスル ロック」(2019年アメリカ)。