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アッシュ・ペー・フランス株式会社
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BEING H.P.F,

先輩スタッフの“声”....04

デザイナーの温度を伝えたい 販売職を追求しつづけ、本当に好きだと思えるものを仕事に

佐藤みゆき(さとう みゆき)
大学卒業後、大手アパレル、インポート服飾雑貨など販売職・店長職の経験を重ね、2010年にH.P.F,に中途入社。当時、募集はしていなかったが大好きだったブランドであるJuana de Arco志望で応募。現在はJuana de Arco表参道店店長を務める。

お気に入りのカーテンの前で。店の内装やペンキ塗りはスタッフ自ら考えて実行する、それも楽しみの一つ。

端切れにも愛情が注がれて、かわいい人形やラグに生まれ変わる。

目指すはJuana de Arcoの“伝道師”、佐藤さんの夢は果てしなく大きい。

── 楽しみを仕事として選ぶことに迷いはあったけれど…
人事部:入社のきっかけを教えてください。
佐藤:Juana de Arcoのことは以前からずっと知っていて、このブランドはどこの会社がやってるんだろう、どうやって変わっていくんだろう、と楽しみに見ていたんです。たくさん買っていたわけではないけど、いつも視界に入っていた感じ。でも自分にはそのとき一生懸命頑張っていた別の場所(店)があったから、ずっと仕事とは関係ない単純な楽しみの一つだったんです。

そういう楽しみを仕事として選ぶことが幸せかどうか分からないとも思ったんですが、その時は何度考えてもJuana de Arco以外浮かばなくて。そのときJuana de Arcoでは募集していなかったんですが、縁なので駄目なら駄目かな、みたいな感じで突然履歴書を送りました。その時に限らず、私はいつも採用募集をあまり見ないまま、本当に自分のタイミングで勝手に応募しちゃうんです(笑)。30歳になるくらいの時期でした。

ラッキーなことに、初めからJuana de Arcoに配属でした。小さな路面店は初めてだったので面白かったし、自分の経験×創造性で何ができるだろうって考えることが楽しかった。飛び込んでいって良かったなって思いました。
人事部:ファッションを仕事に、というのはいつ頃決めたのですか?
佐藤:思えば、昔、着せ替え人形が好きで、自分で人形を手作りして折り目を描いて、洋服作って着せて…ってことをずっとやっていましたね。その子たちのユニフォームとか靴も全部作って…、そういうのが原点なのかもしれません。

大学生のとき地元の大手アパレル店でアルバイトを始めたら楽しくなり、卒業後はそのままその会社に就職しました。配属されたのは、比較的大衆的なお客様がターゲットのお店。扱っているものもすごく自分の好みというわけではなかったし、本当はもうちょっと洋服を大事に売りたい、価値のあるものを提案したいって思っていたけれど、学ぶことはたくさんありました。いつかやりたいことを実現するためにも強くなりたいと思って。
── 任されてもいないのに自己流にVMDを分析
佐藤:VMDもその会社で経験しました。接客販売とはまた違う、深い世界だなと思いました。売上げを作るためのすごく大きな要因になることが面白くて、別に自分が任されたわけではないのに、毎晩仕事が終わると晩ご飯を食べながらその日のお店のレイアウトをノートに書いて、こうだからこうだったみたいな自己流の分析をするのが日課でした。

店長として売り上げも取れるようになって、今なら他に行っても大丈夫って思えたとき、インポートの洋服を扱っていた別の小さな会社に転職し、その後、友人の紹介でF.O.B COOPに移りました。それまでの職場では物には賞味期限があったけれど、ここはオフをしない主義で店に20年くらい売れずにいるものもある。でも、それは価値があるからその値段なので、それを理解してくれる人を待っているんだと。ここでも色んな事を学びましたが、考える時間が欲しくて選んだ場所だったので、1年半くらいで次の仕事を考えることにしました。

結局、私は販売がやりたいというのは分かっていたんですが、じゃあどこでやりたいんだろう? デザイナーの温度があって、一本筋が通ってて…って考えたときに、ぱっと浮かんだのがJuana de Arcoだったんです。
── 離職率ナンバー1店長と呼ばれた時代も
人事部:店長歴も長い佐藤さんですが、佐藤さんにとって店長の仕事とは?
佐藤:私の思う店長の仕事というのは、お店の子たちに仕事の中で達成感を与えてあげて、我が子のように愛せるか、それだけな気がします。誰よりも店の子を守ってあげて、それは褒めることばかりではないと思うし、でも誰よりも大切に出来るか、っていうことに尽きるんじゃないかなって。

でも前はそんな「人ありき」って感じの人間じゃなかったんです。24歳で初めて店長職に就いたんですが、そこから3年くらいは、売り上げは取れるけど離職率ナンバー1店長(苦笑)。とにかく怖いって言われていたし、自分でも分かるくらいスパルタ店長だった。負けず嫌いもあって、売上げという結果を取ることに執着をしていたんです。でも、これじゃまずいって思う時もたくさんあったし、変わりたいっていう気持ちもあった。勇気を出して「何で佐藤さんはそうなんですか?」って言ってくれた下の子もいた。その時は全部つっぱねてきたけど、上から下から横から色んな人が教えてくれているうちに、自分もそれを感じ取とるようになってきて変われたんだと思います。ラッキーな出会いをしてきたと思います。それは本当に感謝していますね。
── アルゼンチンには、昔の日本の感性が生きている
人事部:思い切って好きなことを仕事にしてみて、どうでしたか?
佐藤:実は、去年初めて出張でアルゼンチンに行かせてもらったんです。空の色とか空気、太陽の色、アルゼンチンの皆の人柄…、この国からJuana de Arcoが生まれてきたんだな、って心から納得できました。デザイナーのマリアナはもちろん、周りの人たちもみんなすごくもてなしてくれて。ホテルに“来てくれてありがとう”って手紙が置いてあったり、ささやかだけど気遣いがあって温かい。ごくごく自然な中から、すべてが生まれてるなって感じました。

Juana de Arcoのコレクションには、毎回変わる新しいテーマや音楽などと同時に、これまでずっとブランドとして続いてきた歴史やスピリットも存在しているんです。今まで使ってきたプリントや生地も当たり前のようにそこにある。前のものは古いから、新しいものだけでいこう、という感覚ではない。今の日本には新しいといったら全部新しくて、古い物は捨てちゃう、世に出さない、みたいな流れがあるけど、そうじゃない。Juana de Arcoのオフィスには端切れで作った暖簾やカーテンがありますが、それはアルゼンチンではみんなが普通にやってることなんです。古いものは要らないものとして捨てるんじゃなく、次は他のところで大事に使っていくという考えがごく自然にある。昔の日本みたいですよね。
── みんなの生活のどこかにJuanaがあってほしい
佐藤:今すごく幸せな事に、コーナー店やイベント、催事などで全国にJuana de Arcoを見てもらえる場所があるけれど、私のやりたいことはそこにただJuana de Arco置くことではなくて、ひとつひとつ伝えていくこと。たくさん売ることも、ビジネスとしての楽しみでもあるので並行したいと思いますが、大人も子供も男の人も女の人も、おじいちゃんもおばあちゃんも、色んな人の生活のどこかにJuana de Arcoを取り入れてもらえる接客と商品計画をやっていきたい。お洋服という概念を飛び越えたところに、Juana de Arcoを存在させたいですね。
(取材・撮影:2012年8月)
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