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SIOBHAN O’NEILL from SWEET PEA:
ライク・ア・プリンセス

- 2008.06.06
ロンドンはメイフェアにあるホテル・メトロポリタン。ロンドン・ファッションウィークの時期にデザイナー達がホテルの一室でコレクションを発表する場所としても知られる。その一室のドアを開けたのは、深海を想わすブルーアイとプラチナブロンドを引き立たせるパステルカラーのドレスを纏った、エレガントな小柄な女性。華奢なゴールドチェーンのネックレスを幾重にも重ね、耳元にはアシンメトリーの大きなフープのプレシャスストーンがきらめいている‥‥。私がSWEET PEAのデザイナー、シボーン・オニールに出逢ったのは10年近く前のことである。
この頃の私はバイヤーとして大きなチャレンジをしなくてはならない時期だった。それまではパリを拠点にバイイングをしていたが、パリで知ることのできるロンドン・ブランドではない、何か新しいものを探求しようとロンドンの街を歩き回っていた。私がバイイングをする際の基準は 3つある。H.P.FRANCEらしいか、オリジナリティを感じるか、そして‥‥、自分が好きか。
SWEET PEAのジュエリーはといえば、「自分が大好き度」(欲しい度とも言える)はMAX! でも、それまでのH.P.FRANCEには無いカテゴリーのものだった。18カラット・ゴールドにプレシャスストーン‥‥、いわゆるファインジュエリーと呼ばれるもので、もちろん高価。H.P.FRANCEのアクセサリーといえば正反対で、ビーズやラインストーンを用いたアルチザンのコスチュームジュエリーというイメージが強かった。普段のバイイングではほとんど迷うことが無い私が、すごく迷った瞬間である。結果はもちろん、「自分が好きっ」という直感を信じて決断した。
SWEET PEAのショップ&アトリエは、有名人が出没する高級住宅地のプリムローズヒルに、お伽話のドールハウスのような愛らしさで存在する。アトリエを訪れると、シボーンはもちろん、どのスタッフも毎日がパーティーかの如くドレスアップしている。花柄や金縁飾りのアンティークの食器にのせられたカップケーキにビスケット、当然(イギリスだから)ミルクティー。ノーブルな表情の2匹の犬と一緒にロココ調のソファに座って、Magpie(マグパイとはカササギのことで、“おしゃべりな人”という意味もある)のように会話が止まらない‥‥。18世紀の貴族のサロンにいる錯覚さえ感じるような。パリの展示会場でもそうだ。他のブランドは売るためにコレクションを陳列しているスペースにしか見えないのだが、SWEET PEAのブースは今にもプリンセスが登場しそうな場面に見えるから不思議である。
そんなシボーンが『The Princess and The Pea』という、とびっきりスタイリッシュな現代版プリンセスのショートフィルムを創った。来日して東京でお披露目イベントしたいという。私が子供の頃、自分で最初に買った本がアンデルセン童話の『世界のお姫様』。その中でもお気に入りで繰り返し読んだ『えんどう豆の上に寝たお姫様』の物語を基にしたフィルムだ。SWEET PEAとプリンセスという、私がなにか共通なものを感じる世界を皆に見てもらいたいという想いから、イベント準備の大変さも苦にならなかった。
来日した彼女はパーティーでは圧倒的な華やかさとスター性を発揮したのだが、その一方ではお客様を喜ばせるために、大好きな観光もショッピングもせず、毎日私達スタッフと一緒に準備に奮闘する一面も。繊細でパワフル、心配性でお人好しの素敵なシボーン。
そして、SWEET PEAはH.P.FRANCEを象徴するブランドのひとつになった。
- Writer Profile:
- 町田小都美(まちだ さとみ)
1993年入社。goldie H.P.FRANCE、H.P.FRANCE BIJOUX、Theatre H.P.FRANCE、H.P.FRANCE SHOWROOM(卸事業)のバイイングを行う。 - Photo
- Hanayuki Higashi

- SIOBHAN O’NEILL(シボーン・オニール)
英国生まれ。SWEET PEAの創設者、クリエイティヴ・ディレクター。 18カラットのゴールドチェーンと貴石、半貴石を使ったハンドメイドのコンテンポラリー・ジュエリー。そのユニークなコレクションは、エッジィでファッショナブル。1999年、ロンドンのプリムローズヒルにSWEET PEA ブティックをオープン。最近改装が行われた店内のインテリアは、ロマンティックでヴィンテージな雰囲気。


- 右:2008SSコレクション
- 左:2008SSコレクション


