wrote: teshima (Lamp harajuku)
志村信裕 個展「Pocket」もあと一週間を切りました。
閉店後のストアインスタレーションも終わってしまいます。。

終わりの会:9月29日(土) 15:00-17:00 (雨天中止 ※中止の場合は9月30日(日) に延期)
ゲスト:L PACK (カフェユニット)
是非お越しください。
志村信裕さん インタビュー後編
てしま・・・・・T
志村さん・・・S
T・・・今回の展示作品の説明をして頂けますか?
S・・・とにかくギャラリー自体の小ささだけでなく、急な階段とか、部屋の真ん中に柱があったり、おまけに備え付けの引き出しが既にあったりと、ものすごくインスタレーションの展示をしづらい環境で。Lamp harajukuを知らなくて、突然ここでやってくださいって言われたら、おそらく引き受けてなかったと思います。ただ、それでもLamp harajukuで何かやってみたい一心で、この地下のギャラリーの小ささや特徴を面白さに変えられないかと考えました。
T・・・なるほど。だから今回のように、元々あったかのように引き出しを作ったりしたわけですね。
S・・・はい。ギャラリーらしくないのなら、いっそのこと「部屋」にしてしまおうと思ったわけです。そして大きな映像を映す事が出来ないんだったら、逆に小さな映像を小さい空間に映せないかと考えて。ギャラリーよりも更に小さい箱を作って、その中を作品の空間にしようと思って展示の構想を始めました。
T・・・まさに制約の中から生まれた逆転の発想ですね。
S・・・それで『箱庭』っていう言葉を思い出して。庭ってサイズが自由に可変できる面白い言葉ですよね。ものすごく広い庭も庭って言えるし、たとえ小さな箱の中にでも工夫次第で自分だけの庭も作れるし、その考え方というのが今回の展示のヒントになっています。結果的には引き出しをギャラリーの壁に追加して、その引き出しの中に映像を投影するっていう展示を考えました。それから小さなバケツがぽんと床に置いてあって、バケツの中にも映像を映すっていうのも連続して思いついたんです。
T・・・実際にやってみて、どうでしたか?
S・・・今まで自分がやった事のないやり方だったので、その分だけ感想も違いましたね。特に新鮮だったのは、バケツの作品に対して、持って帰りたいって言ってくれる感想が多くて。それは美術作品のコレクターが作品を手に入れたいという欲望とも違って、単純に自分の近くに置きたいっていうリアルな感覚なんでしょうね。僕はどちらかというと、室内より屋外で展示をする事が多くて、道路とか街の中などのパブリックな場所で多くの人が観れる環境で映像を投影しているのですが、今回は持って帰れるサイズにスケールダウンしたのが観る人にとっても新しかったようです。
T・・・志村さんの狙いがまさに伝わったと言えますね。
S・・・そうですね。バケツとか引き出しっていう日常サイズの器(うつわ)が映像の光をうけることで作品になったので、新しいことが出来たなっていう手応えはあります。
T・・・結果的に予想のつかない事や発見があったので良かったですね。
S・・・本当に良かった。あの小さなギャラリーのおかげで自分の新しい扉をあけられた感じですね。それから、地下のギャラリーは小さいということに焦点をあてていますが、お店の閉店後に1階の店内をスクリーンにしたストアインスタレーションをやれたのも良かったですね。ストアインスタレーションに関しては、ギャラリーとは考え方が全く逆で、閉店後に大きな映像を投影することでお店自体が作品になってしまう。閉店後の夜にしか見せれない仕掛けなのですが、それはずっと以前からやりたかった事だったので今回実現できて嬉しかったです。
T・・・もしも他のお店から依頼されたらどうしますか?
S・・・どこでも出来る訳じゃないですからね。今回の展示を見てうちでもやって下さいと言われても、そのお店次第というか。今回はLamp harajukuだからこそ出来たと思ってます。
T・・・アッシュペーフランスの社内のスタッフも夜癒されに観に来るって言ってました。夜10時くらいに仕事が終わってふらっとLamp harajukuまで志村さんの作品を見に行くそうです。丁度その時間ぐらいになると人通りもないし、大通りから一歩中入ったところだから全然人がいないじゃないですか。だからその空間をその時間だけ独り占めできていいと言っていました。
S・・・それは嬉しいですね。昼と夜、地下でやってる展示とストアインスタレーションは全然違う印象を与えることが出来ましたね。
T・・・展示をしてみてお店のスタッフとのコミュニケーションやお店の空間に結構いる事があったと思うんですが、最初のLamp harajukuの印象となんか変化はありますか?
S・・・ スタッフの控え室(通称・裏Lamp harajuku)でも作業していたのでお店の舞台裏が見れて面白かったですね。ここでは言えないことも見てしまったし。。ただ、一見キラキラしている華やかなお店ですが、訪れるお客さんに最高のものを提供するために見えないところで地味な努力や工夫をしているのが分かって、職種は違いますが共感というか勝手な親近感を覚えましたね。
T・・・クロージングイベントとして終わりの会がありますが、L PACKさんとの繋がりを教えてください。
S・・・ L PACKとは横浜の黄金町で出会ったのがきっかけです。L PACKが作るお店、空間は、気がつくと人が自然にどんどん集まってくる。彼らは何か目に見えるものを作るアーティストではないのだけれど、人と人が出会う場所やきっかけをいつも作っていて。彼ら独特の嗅覚みたいなものがあるのか、毎回様々なアプローチを駆使して、例えばそのツールがコーヒーだったり、モーニングだったりっていうイベントをつくる事で、人が集まったり、繋がったりする。それが優れたアート作品と同じように、皆が共有できるかたちにしていることが面白いと思っています。
T・・・だから今回、終わりの会でゲストとして呼んだんですね。
S・・・ギャラリーで作品を展示しているだけでは、Lamp harajukuに来る人と僕との関係は、観る、観られるっていう関係でしかないけれど、そこにL PACKが入る事によって、同じ時間を共有できる関係になると期待しています。だから今回ぜひ一緒にやりたいと思ってお願いする事になりました。9月の終わりだったら外でやっても気候的にも気持ち良さそうだし、Lamp harajukuにとっても新しい試みになりそうですね。
T・・・ありがとうございました。終わりの会が楽しみになりました。
『展示のおわりと秋のはじまりの時間を一緒に共有することができたら幸いです。』
志村信裕展「Pocket」
会期:2012年8月17日(金)- 9月30日(日)
時間:12:00-19:30(20:00以降夜間展示あり)
会場:Lamp harajuku gallery